一人の女の子がいた。
性格は明るく、
小学校ではたくさんの友達に囲まれていた。
また、女の子は大のおじいちゃん子で、
おじいちゃんも女の子の事を本当に可愛がった。
しかし、
おじいちゃんは今は入院しており、
余命は長くなかった。
医師がもう残りわずかの命である事を伝え、
女の子は両親に連れられ病院に行った。
病室で女の子の両親はおじいちゃんと話した後、
医師の説明を受けに病室を出て行った。
病室には女の子とおじいちゃんの二人。
女の子はおじいちゃんに、
学校の事や最近楽しかった事などいろいろな事を話した。
しかし、途中で女の子は泣きながら
「おじいちゃんいなくなるの?」
と聞いた。
するとおじいちゃんは
「おじいちゃんが死んだら、
お父さんとお母さんと一緒にかなしんでくれるかい?」
と言った。
女の子は
「うん……でも死んじゃいやだよ」
とつぶやいた。
その後、女の子は家に帰ることになり、
その次の日おじいちゃんは帰らぬ人となった。
女の子はその日、わんわん泣いた……。
一か月後、ある記事が新聞の隅に載った。
一部抜粋すると
「一家心中、動機は全くの不明。
女の子の名前は斉藤加奈ちゃん」
【解説】
女の子の名前は「加奈ちゃん」。
つまり、
おじいちゃんの発言
「かなしんでくれるかい?」
は、
「加奈死んでくれるかい?」
と解釈できる。
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