俺は留学生で大学のイベントでインターナショナルな怪談話大会
というのがあった。
雰囲気だけは盛り上げるんだけど、感覚が違う
ので、欧米の話は恐くなかったな。ただ、その中で韓国人のした話は
日本と感覚が近かったのでいけるかも。でもほとんど忘れたのでかなり脚色して紹介してみる。
主人公は高校3年の女子生徒。
定期テスト直前だった彼女は、深夜まで自室で勉強をしていた。
学習机に向かって必死に問題を解いている。
—瞬間的に集中力が途切れた彼女。持っていたペンを指でいじくる。
ふと、そのペンを自分の背後に投げてみたい衝動にかられた。
本当に、なんとなく。特別な意味はなかった。
そして、机に座ったまま、背後にペンを投げる。
・・・床に落ちたはずのペンだったが、何の音もしなかった。
彼女の部屋はフローリング。ペンが落ちれば当然、音がする。
ぞっとした彼女が、背後を振り向くと、ペンは偶然クッションの上に落ちていた。
「そんなわけないわよね」一人つぶやき、安堵する彼女。
翌日、学校で・・・
「実はね、深夜の2時頃、背後にペンを投げて、ペンが床に落ちる音が
しないと、原因不明の理由で死んじゃうって話、聞いたことある?
・・・実はね、私、昨日その通りに夜中の2時に、背後を振り向かずにペンを投げてみたの・・・」
その話を聞いていた友達は、ごくりと唾を飲みこんだ。
「・・・そしたら、ペンの落ちる音がしなかったの!!」
彼女が大きな声で盛り上げると、友達は悲鳴交じりで、驚きに近い反応を示した。
それを見た彼女は、
「実際は、クッションの上にペンが落ちただけだったの。ははは」
このように、休み時間を利用して友達に昨夜の出来事を、多少脚色して笑い話に変えて話したのだった。
その夜。
昨日と同様に、深夜までテスト勉強を頑張る彼女。勉強も一段落して
何となしに机の上の置時計を見ると、2時を5分ほど回っていた。
2時という時計の針に、友達が自分の話で恐がっていたことを
思い出させられ、再び右手に握られていたペンを見つめた。
そして、背後に投げてみた。
・・・やはり、音はしなかった。
おかしい。実は彼女は確認していた。
前日のクッションは、すでにベッドの上に移動させていたのだ。
思いつく限りで、彼女の背後にペンの音を吸収するようなものはない。
投げた感覚でペンの落ちる位置は予想できる。そこには何もないのは確かなのである。
彼女の前身に鳥肌が立った。悪寒が鋭く身体中を走る。
彼女は、一瞬の迷いの後、ゆっくりと背後を振り返った・・・
そこには友人が立っていた。
「・・・あなたの話の通りにやってみたの」
冷たく、低い声で、ささやくようにそう言った友達の右手には、しっかりと彼女のペンが握られていた。
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