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山梨県
青木ヶ原樹海は、富士山の北西部に広がる広大な森林で、長い間その美しさと静寂が人々を魅了してきました。しかし、その静けさの裏には、暗い歴史が隠されています。この場所が「自殺の名所」として知られるようになったのは、20世紀後半からのことです。一部の報道やフィクション作品が、樹海を「自殺を選ぶ場所」として描写したことが、そのイメージを強める結果となりました。 特に昭和後期から平成初期にかけて、日本国内で経済的・社会的な不安が高まる中、青木ヶ原樹海は孤独や絶望を抱えた人々にとって「最終的な逃げ場」として認識されるようになりました。地元の警察やボランティア団体は、樹海内で定期的な捜索活動を行い、迷い込んだ人々を救助したり、悲しい結果に至った場合は遺体を収容したりしています。
青木ヶ原樹海は、その自殺の歴史や迷路のような構造から、多くの心霊現象の舞台として語られてきました。訪問者の中には、突然聞こえるはずのない声や、視界の端に不気味な影を見たという体験を語る人がいます。これらの現象は、亡くなった人々の魂が成仏できずにさまよっているとされることが多いです。また、コンパスが狂うという現象も報告されており、これが霊的な力の影響であると信じる人もいます（ただし科学的には、地質に含まれる磁鉄鉱が原因とされています）。 特に多く語られるのは、「迷わせる霊」の存在です。樹海の中を進むうちに、出口に向かっているはずが逆方向に進んでしまった、あるいは何度も同じ場所に戻ってしまうという体験談が後を絶ちません。また、テントや残された遺品が発見されることがあり、それらが突然冷たい気配を伴うなど、不気味なエピソードも伝えられています。